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技術解説

用途別 表面処理の選び方ガイド

2026.02.05by 技術部 山田 隆
用途別 表面処理の選び方ガイド
精密部品の信頼性を支える要素の一つに、表面処理があります。同じ加工形状であっても、選定する皮膜が異なれば、耐摩耗性・耐食性・電気特性・寸法精度のいずれもが大きく変わります。本記事では、当社で多く採用する代表的な表面処理について、用途別に選定の考え方をご紹介します。 硬質アルマイトは、アルミニウム合金の表面にHV400〜500の硬質皮膜を形成する処理です。耐摩耗性に優れ、自己潤滑性も高いため、しゅう動部品やシリンダー内面などに広く採用されます。膜厚は通常30〜50μmで、寸法成長を考慮した加工設計が必要です。 無電解ニッケルめっきは、化学還元によって均一な皮膜を形成できる処理で、複雑形状部品にも均一な膜厚を付与できる点が大きな利点です。リン濃度を変えることで、硬度・耐食性・磁性をコントロールできます。半導体製造装置や食品機械の部品に採用される代表的な皮膜です。 PVDコーティング(TiN・TiAlN・DLC等)は、真空中で金属化合物を蒸着する処理で、極めて高い硬度と低摩擦係数を両立できます。特にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)は、自動車エンジン部品や金型表面に採用される、現代の代表的な機能性皮膜です。 選定の際には、使用環境(腐食性物質の有無、温度、しゅう動条件)、要求される寸法精度、コスト、納期を総合的に判断することが重要です。当社では、お客様の用途を伺ったうえで、複数皮膜の比較表をご提示し、最適な選定をご支援いたします。表面処理の選定でお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。